第27回東日本多重災害復興再生政策検討委員会全体会合
 2016年2月19日(金)15:30-17:30 株式会社農林中金総合研究所大会議室にて
 第27回の全体会合では、塩谷弘康氏(福島大学行政政策学類)から、食と農の復興・再生をめぐる取り組みとして、かーちゃんの力・プロジェクトに関する報告が行なわれた。その後、塩谷氏とフロアとの間で質疑応答・意見交換がなされた。最後に、寺西委員長より新年度以降の取り組み方針についての説明が行なわれた。
(文・写真:石倉研)
報告:塩谷弘康氏(福島大学行政政策学類)
「食と農でつなぐ福島の復興と再生
〜かーちゃんの力・プロジェクトの『これまで』と『これから』〜」
 かーちゃんの力・プロジェクトは、あぶくま地域から避難してきた女性農業者による、避難者・被災者のための復興支援プロジェクトである。基本理念として、@あぶくま地域と福島の復興、Aかーちゃんたちのネットワークづくり、B新しい生産・流通・販売システムの形成、C健康、安全・安心、D新しいコミュニティづくり、を掲げている。
 もともとは、福島第一原発事故以降、避難したかーちゃんたちが、どこで何をしているのかを訪ね歩くところから始まった。その後、2011年10月にかーちゃんたちの培ってきた知恵や技術を活かしていくため、かーちゃんの力・プロジェクトを立ち上げた。プロジェクトでは、地域の伝承料理を盛り込んだお弁当の販売や、農作物の生産・加工などを実施している。
 プロジェクトを通じて、@かーちゃんたちが立ち直るきっかけとなったこと、A被災者・避難者自身による被災者・避難者支援を行なったこと、B食文化・食の遺産の継承を行なったこと、C避難先でのコミュニティづくりができたこと、D新しい連帯と協同・協同の関係ができたこと、に意義があると考えている。一方で、補助金・助成金の終了に伴い、人員削減と活動の見直しを余儀なくされ、再スタートを切っているのが現状である。2015年8月には、NPO法人かーちゃんの力・プロジェクトふくしまを設立し、これまでに得られた成果をさらに発展させていくこと目指し、取り組みを行なっている。
食と農の復興・再生の取り組みについて話される
塩谷氏

総合討論
 塩谷氏の報告を受け、フロアとの間で質疑応答・総合討論がなされた。新しく生産・流通・販売のシステムを作る上での課題や、かーちゃんの力・プロジェクトメンバーの状況、県や自治体との関係などの論点について、広く意見交換が行われた。中でも、補助金や助成金の終了後、自立してプロジェクトを継続できるような新しいサポートの枠組みを、いかに組み立てていくかが重要な課題であると確認された。
 全体討論の後、寺西委員長より、今後のスケジュールとして3月19日〜20日に開催される第3回「原発と人権」全国研究・交流集会に関するアナウンスが行われた。最後に、新年度以降のJEC検討委員会の取り組み方針等について意見交換がなされ、第27回の全体会合は閉会となった。


 
JEC 日本環境会議