第23回東日本多重災害復興再生政策検討委員会全体会合
 2015年5月29日(金)13:30-17:30 株式会社農林中金総合研究所大会議室にて
 第23回の全体会合では、片庭將道氏(一般財団法人日本きのこセンター関東・東北事務所所長)より、東日本における原木栽培の現状と復興に向けた課題について、報告が行われた。片庭氏の報告を受け、フロアとの間で質疑応答・意見交換がなされた。
 全体会合の後半では、JEC意見書(第2次)の取りまとめと公表に関して議論が交わされ、その後、市民公開特別シンポジウムの打ち合わせと今後のスケジュールについての確認が行なわれた。
(文・写真:石倉研)
報告:片庭將道氏(一般財団法人日本きのこセンター関東・東北事務所所長)
「東日本における原木栽培の現状と復興への課題」
 福島第一原発事故以降、東日本における原木シイタケ栽培は、壊滅的な状態になっている。現状、生シイタケは100Bq/kg、原木は50Bq/kgを超えたものが規制されており、事故後、採取できなくなったシイタケは放置、廃棄されている。
 原木シイタケの生産者数、生産量ともに激減している中、林野庁では、栽培管理ガイドラインを提示しており、これに基づき、各県が地域の実状に応じてガイドラインやチェックシートを作成している。例えば、栃木県では、「きのこ栽培における放射能対策作業マニュアル」や「しいたけ生産工程管理基準」を定め、生産者を後押ししている。
 原木シイタケ栽培の再生に向けては、地元原木を利用していくために、行政が原木林マップ作りを行なうことや、原木林再生のために早急な整備事業の実行が必要である。ただし、出荷制限解除に向けて、各県行政の対応が異なるため、生産者の栽培継続意欲がそがれていることや、賠償の遅れによる資金難などの課題がある。もともと原木シイタケ生産者は地元原木を活用し、環境保全型農林業を支える一つの柱として存在しており、今後も再生に向けての取り組みを行なっていくことが必要である。
原木栽培の現状と課題について報告される
片庭氏

総合討論
 
 片庭氏の報告を受け、フロアとの間で質疑応答・総合討論が行なわれた。行政によって出荷制限や自粛に関する対応が異なる中、行政に求められる役割や、除染のやり方、賠償請求の現状と課題など、多岐に渡る点について討論が行なわれた。特に、地元原木を活用していくために、データ作りを丁寧に行っていくことの重要性が確認された。
 全体討論の後、寺西委員長から、JECからの第2次意見書の取りまとめと公表に関する方針について説明が行なわれた。それを受け、意見書案の構成や内容について、意見交換が行なわれた。最後に、2015年6月6日に日弁連との共催で開催される「市民公開特別シンポジウム」の打ち合わせと、今後のスケジュール案についての確認が行なわれ、第23回の全体会合は閉会となった。

 
JEC 日本環境会議