第16回東日本多重災害復興再生政策検討委員会全体会合
 2013年11月29日(金)15:00-17:30 株式会社農林中金総合研究所会議室にて
 第16回の全体会合では、まず中田俊彦氏(東北大学大学院工学研究科教授)が、被災地域復興と再生可能エネルギーについての報告を行い、活発な質疑応答・意見交換が行なわれました。続いて、古谷周三氏(農林中金総合研究所取締役社長)から、日本環境会議の震災復興調査研究に対する期待についての報告がありました。古谷氏の報告を受けて、今後のJEC検討委員会の進め方について総合討論がなされました。
(文・写真:石倉研)
報告1:中田俊彦氏(東北大学大学院工学研究科教授)
「東北被災地域の復興と再生可能エネルギー」
 中田氏はまず、復興推進委員会の中間報告(「『新しい東北』の創造に向けて」)の中に、「持続可能なエネルギー社会」という方向性が示されている点を指摘されました。他方で、エネルギーの現状として、エネルギー教育の無自覚、地方自治体のエネルギー行政における専門家の不在、社会制度・インフラの未整備、エネルギー業界のガラパゴス化といった問題点があることを示されました。そして日本全体では特に、熱の節約が重要であること、そのためにも社会全体で地域エネルギーのデザインを描いていくことが必要であると、指摘されました。
 報告では、先行する知恵として、オーストリアの木材利用や欧州の地域熱供給について紹介がなされ、最後に、地域エネルギーの専門家を育てていくことの重要性が強調されました。
 質疑応答では、今後の日本における地域熱供給の可能性や、山形県最上町での新しい地域熱供給モデルなどについて活発に議論が行なわれました。
被災地域復興と再生可能エネルギーについて
報告する中田氏
 
報告2:古谷周三氏(農林中金総合研究所取締役社長)
「震災復興調査における日本環境会議の研究・提言に期すること」
 古谷氏はまず、農中総研における震災復興調査の概要と手法について報告されました。調査結果の概要としては、復興は地域によってバラツキがあること、政策意図と現実の凸凹があること、第1次産業の構造問題が震災によって一気に顕在化していることが示されました。
 次に、日本環境会議に調査・提言を求める事項として、避難者の生活再建、農地汚染対策という2つの問題領域が提起されました。そして、各問題領域についてそれぞれ詳しい論点が提示されました。
 古谷氏の問題提起を受け、フロアからは、災害公営住宅とコミュニティ再建に関する問題や、農地汚染に関する類似の先行例、放射能汚染に対する新しい特別立法の創設などについて活発に意見が交わされました  
 最後に、震災から3年が経過しようとする中、日本環境会議としてどのような提言を公表していくかについても盛んに議論が行なわれ、第16回の全体会合は閉会となりました。 
農中総研の震災復興調査の概要と
日本環境会議への期待について報告する古谷氏
 

 
JEC 日本環境会議